建設業の求人原稿の書き方|応募が来ない求人に共通する5つのこと
「求人を出しているのに、応募がまったく来ない」。建設会社の社長や総務担当の方から、とても多く聞く悩みです。
人手不足の業界なので仕方ない、と考えがちですが、同じ地域・同じ職種でも応募が来る会社と来ない会社があります。その差は、給与の額よりも求人原稿の書き方にあることが少なくありません。
この記事では、応募が来ない求人原稿に共通する5つのポイントと、その直し方を例文つきで紹介します。
支援の現場から 先日支援した地方の建設会社では、それまで若手からの応募がまったくありませんでした。そこで、新卒の学生に向けて求人の写真と原稿を見直したところ、1か月で2件の新卒応募がありました。給与や休日の条件は変えていません。変えたのは「伝え方」だけです。
応募が来ない求人に共通する5つのこと
1. 職種名が「現場作業員」「土木作業員」だけになっている
求職者は、まず職種名を見て「自分にできそうか」「どんな仕事か」を判断します。「現場作業員」だけでは、何をする仕事なのか、未経験でもできるのかが伝わりません。
| よくある書き方 | 伝わる書き方 |
|---|---|
| 現場作業員 | 道路工事スタッフ(未経験OK・重機免許の取得支援あり) |
| 土木作業員 | 公共工事の土木スタッフ|日勤のみ・土日休み |
| 施工管理 | 住宅リフォームの施工管理(2級建築施工管理技士 歓迎) |
職種名に「どんな現場か」「未経験可か」「働き方の特徴」を一つ足すだけで、検索結果での見え方が大きく変わります。
2. 仕事内容が「1日の流れ」で書かれていない
「土木工事全般」「建築現場での作業」と書かれていても、建設業の経験がない人にはイメージができません。おすすめは1日の流れで書くことです。
例:道路工事スタッフの1日 7:30 会社に集合、社用車で現場へ(乗り合わせ) 8:00 朝礼・KY活動(その日の危険をみんなで確認) 8:15 作業開始。最初は資材の運搬や片付けからスタート 12:00 昼休憩(1時間) 13:00 午後の作業 17:00 片付け、会社へ戻って解散
未経験の方は「最初に何をやるのか」が一番の不安です。入社後1か月・半年・1年でできるようになることも書けると、さらに安心感が増します。
3. 給与が「月給25万円〜45万円」のように幅が広すぎる
幅を持たせたくなる気持ちは分かりますが、幅が広すぎると「自分はいくらもらえるのか」が分からず、かえって応募をためらわせます。
- モデル年収・モデル月給を書く(例:入社3年目・25歳/月給◯万円+賞与)
- 「経験者」と「未経験者」で分けて書く
- 手当(資格手当・現場手当・皆勤手当など)は金額まで書く
4. 休日・労働時間があいまい
建設業は「休みが少ない」「朝が早い」というイメージを持たれやすい業界です。だからこそ、休日と労働時間はごまかさず具体的に書くことが信頼につながります。
- 「週休2日制」ではなく「完全週休2日(土日)」なのか「4週6休」なのかを明記する
- 年間休日の日数を書く
- 雨天時の扱い(休み/有給/作業場での作業)を書く
- 残業の実態(例:月平均◯時間、繁忙期は◯時間程度)を書く
条件が良くない部分を隠すと、面接や入社後に「聞いていた話と違う」となり、早期離職の原因になります。改善の取り組み(例:「来年度から月2回の土曜休みを導入予定」)があれば、あわせて書きましょう。
なお、求人の際に明示が必要な労働条件は法令で定められています。2024年4月からは、就業場所や業務の「変更の範囲」なども明示が必要になりました。詳しくは厚生労働省の最新の案内をご確認ください。
5. 「アットホームな職場です」で終わっている
「アットホーム」「やる気のある方歓迎」は、どの求人にも書かれているため、何も伝わりません。代わりに、事実で会社の雰囲気を伝えます。
- 社員の年齢構成(例:20代3名、30代4名、40代以上6名)
- 若手社員の声(入社のきっかけ、入ってみて驚いたこと)
- 社長が大事にしていること(一言でよい)
- 現場の写真(人が写っているもの)
写真は特に効果があります。きれいな写真でなくてかまわないので、実際に働いている社員の姿を載せましょう。
書き直す前にやっておきたいこと
求人原稿を書き直す前に、次の2つを確認しておくと、原稿の方向性が決まりやすくなります。
- どんな人に来てほしいかを1人決める(例:「地元に戻りたい20代後半、異業種から転職」)
- 今いる社員が入社を決めた理由を2〜3人に聞いてみる
社員が入社を決めた理由は、そのまま求人原稿の「この会社を選ぶ理由」になります。
まとめ
- 職種名に「どんな現場か」「未経験可か」を足す
- 仕事内容は1日の流れで書く
- 給与はモデル年収と手当の金額まで書く
- 休日・労働時間は具体的に、隠さず書く
- 会社の雰囲気は「事実」と「写真」で伝える
求人原稿は、一度書いたら終わりではなく、応募の状況を見ながら少しずつ直していくものです。まずは5つのうち、すぐ直せるところから手をつけてみてください。