採用

建設会社の採用サイトに入れたい7項目|応募前の不安を消すページの作り方

公開:2026年10月14日

「求人は出しているのに、ホームページには会社案内しか載っていない」。小さな建設会社では、珍しくない状態です。

求人票や求人広告を見て興味を持った人の中には、応募する前に、会社名で検索して確かめる人もいます。そのとき見つかるのが施工実績と会社概要だけだと、「自分が働く姿」が想像できず、応募をやめてしまうことがあります。

採用サイトの役割は、応募を迷っている人の不安を一つずつ消すことです。立派なデザインや大きな予算は必要ありません。この記事では、建設会社の採用サイト(自社ホームページ内の採用ページでもかまいません)に入れたい7項目を紹介します。

求人を見る、会社名で検索する、採用サイトで確かめる、応募・見学する、の4段階の流れ。採用サイトは3段階目で不安を消す役割を持つ

結論:採用サイトに入れる7項目

先に一覧を示します。応募者が確かめたいことを、おおまかな順に並べました。

No. 項目 応募者の不安
1 仕事内容と1日の流れ どんな仕事か、自分にできるか
2 給与とモデル年収 自分はいくらもらえるのか
3 休日と働く時間 休めるのか、朝は何時か
4 育て方と資格の支援 未経験でも覚えられるか
5 働く人の顔と声 どんな人と働くのか
6 社長のメッセージ どんな考えの会社か
7 募集要項と応募の入口 条件は確かか、どう連絡するか

1〜3は求人原稿と同じ内容ですが、採用サイトでは文字数の制限がないぶん、詳しく書けます。4〜6は求人票だけでは伝えにくい、採用サイトならではの項目です。7は求人票と同じ内容を、法令に沿ってそろえます。

支援の現場から 採用サイトの制作や見直しをお手伝いするなかで、応募や反応が変わったと感じた項目は3つあります。従業員をたくさん載せたこと、募集要項だけでなくその職種の説明ページを入れたこと、そして会社説明会やインターンシップに申し込めるようにしたことです。

1. 仕事内容と1日の流れ

建設業の経験がない人には、「土木工事全般」「建築現場での作業」と書かれても何をするのか分かりません。職種ごとに、1日の流れを時刻つきで載せます。

例:住宅の大工スタッフの1日 7:30 会社に集合、道具を積んで現場へ 8:00 朝礼・KY活動(その日の危険をみんなで確認すること) 8:15 作業開始。最初は材料の運搬や片付けから 12:00 昼休憩(1時間) 17:00 片付け、会社へ戻って解散

職種が複数ある会社は、職種ごとにページや見出しを分けます。募集要項の中に仕事内容を数行書くだけでなく、職種ごとの説明ページを用意すると、仕事のイメージが伝わりやすくなります。「施工管理」と「現場スタッフ」では、1日の過ごし方がまったく違うからです。求人原稿での書き方は建設業の求人原稿の書き方でも詳しく紹介しています。

2. 給与とモデル年収

「月給25万円〜45万円」のように幅だけを書くと、「自分はいくらなのか」が分かりません。採用サイトでは、次の3つを載せます。

  • モデル年収(例:入社3年目・25歳/月給◯万円+賞与◯か月分)
  • 経験者と未経験者の初任給の違い
  • 手当の名前と金額(資格手当・現場手当・家族手当など)

あわせて、「どうすれば給料が上がるのか」を書けると安心感が増します。資格を取ったら手当がいくら付くのか、何年目でどの立場になるのか。人事評価制度がある会社は、その概要を一言載せるだけでも伝わり方が変わります。制度づくりは小さな建設会社の人事評価制度の作り方を参考にしてください。

3. 休日と働く時間

建設業は「休みが少ない」「朝が早い」と思われやすい業界です。だからこそ、ごまかさずに具体的に書きます。

  • 年間休日の日数と、休みの形(完全週休2日/4週6休など)
  • 朝の集合時刻と、解散のおおよその時刻
  • 雨の日の扱い(休み/作業場での作業など)
  • 残業の実態(月平均◯時間、繁忙期は◯時間程度)

条件が良くない部分を隠すと、入社後に「聞いていた話と違う」となり、早期離職につながりやすくなります。改善に取り組んでいることがあれば、予定も含めて書きましょう。

4. 育て方と資格の支援

未経験の応募者が気にすることの一つが、「自分でも覚えられるか」です。入社後の育て方を、期間で区切って書きます。

期間 できるようになること(例)
入社〜1か月 道具の名前を覚える、運搬・片付け、安全のルール
〜半年 先輩の補助で作業の一部を任される
〜1年 決まった作業を一人でこなせる
3年目以降 資格を取り、後輩に教える立場へ

資格取得の支援(受験費用の負担、講習中の給与の扱いなど)がある会社は、制度の中身まで書きます。「資格取得支援あり」の一言より、「受験費用は会社が負担、講習の日も出勤扱い」のほうがずっと伝わります。

5. 働く人の顔と声

「どんな人と働くのか」は、応募者が気にすることが多い項目です。採用サイトで力を入れたい項目の一つです。

  • 社員の写真(実際に働いている姿。きれいな写真でなくてかまいません。社長や一部の社員だけでなく、できるだけ多くの社員を載せます)
  • 社員の年齢構成(例:20代3名、30代4名、40代以上6名)
  • 若手社員の声(入社のきっかけ、入ってみて驚いたこと、大変なこと)

社員の声は、良いことだけを並べるより、(例)「最初の夏は暑さがきつかった。先輩がこまめに休憩を入れてくれた」のように、大変なことと会社の対応をセットで載せるほうが信頼されます。写真や声を載せるときは、本人の了承を必ず取りましょう。社員インタビューの作り方は採用に効く社員インタビュー記事の作り方で詳しく紹介しています。

若手が辞める理由と防ぎ方は若手職人が辞める5つの理由と、辞めない建設会社がやっていることで紹介しています。採用サイトに書く内容と、実際の職場がずれていないかを確かめる材料にもなります。

6. 社長のメッセージ

小さな会社ほど、社長の考え方がそのまま職場の空気になります。社長の言葉は、応募者が会社を知る手がかりになります。

長い文章は必要ありません。次の3つを、社長自身の言葉で短く書きます。

  • なぜこの仕事をしているのか
  • 社員に大事にしてほしいこと
  • どんな人に来てほしいか

「やる気のある方歓迎」「アットホームな職場です」は、どの会社にも書かれているので何も伝わりません。「挨拶ができれば、技術は入ってから教える」のように、具体的な一言のほうが記憶に残ります。

7. 募集要項と応募の入口

募集要項は法令で決まった項目を載せる

自社ホームページで社員を募集する場合も、労働条件の明示が必要です。厚生労働省のリーフレットでは、ハローワークへの求人の申込みや求人広告と同じく、自社ホームページでの募集でも、募集要項に少なくとも次のような労働条件を明示しなければならないとしています。

明示が必要な主な項目
業務内容(変更の範囲を含む)
契約期間(有期契約の場合は更新の基準・上限)
試用期間
就業場所(変更の範囲を含む)
就業時間・休憩時間・休日・時間外労働
賃金(固定残業代がある場合はその内訳)
加入保険
受動喫煙防止措置
募集者の氏名または名称

2024年4月からは、業務と就業場所の「変更の範囲」(将来の配置転換なども含めた見込み)と、有期契約を更新する場合の基準が追加されました。建設会社では「就業場所」を本社だけ書いていることがありますが、実際は各現場で働くことが多いはずです。「(雇入れ直後)本社および県内の各工事現場(変更の範囲)本社および会社が受注した県内・近県の工事現場」のように、実態に合わせて書きましょう。

また、募集に関する情報は、掲載した時点を明示するなどして、正確かつ最新の内容に保つ必要があります(職業安定法の「的確表示」義務)。採用ページには「最終更新日」を入れ、条件が変わったらすぐ直すことを社内の決まりにしておくと安心です。

出典:厚生労働省「求人企業の皆さまへ 募集時などに明示すべき労働条件が追加されます!(2024年4月施行 改正職業安定法施行規則)」、厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」(いずれも2026年10月14日確認)。書き方の細かな判断に迷うときは、最寄りのハローワークや都道府県労働局に確認してください。

応募の入口は「軽く」する

せっかく読んでもらっても、応募の方法が分かりにくいと、そこで離れてしまいます。

  • 応募フォームはスマホで入力しやすく、項目を少なくする(氏名・連絡先・希望職種くらいから)
  • 「まずは見学だけ」「話を聞くだけ」の入口も用意する(会社説明会・インターンシップ・職場見学をサイトから申し込めるようにする)
  • 電話で応募できる場合は、受付時間と担当者名を書く
  • 応募のあとの流れ(連絡の時期、面接の回数、見学の有無)を書いておく

応募フォームの項目を作るときは、本籍や家族構成など、採用選考で聞くべきでない事項を入れないよう注意します。詳しくは建設業の面接で聞くべき質問・聞いてはいけない質問で解説しています。

作る前にやっておきたいこと

採用サイトの中身は、作る前の準備でほぼ決まります。次の3つを先に済ませておくと、制作がスムーズです。

  1. 来てほしい人を1人決める(例:「地元に戻りたい20代後半、異業種から転職」)
  2. 今いる社員2〜3人に、入社を決めた理由と、入って驚いたことを聞く
  3. 今の採用にいくらかかっているかを出しておく

3つ目は、採用サイトにかける費用と手間を判断する材料になります。求人媒体費や紹介手数料、社長や担当者が面接にかけている時間は、採用コスト計算ツールで1人あたりの採用単価として計算できます。高校生の採用を考えている会社は、高校生採用の進め方もあわせてご覧ください。学校の先生や保護者が採用ページを見ることもあります。

まとめ

  • 採用サイトの役割は、応募を迷っている人の不安を消すこと
  • 仕事内容・給与・休日は、求人票より詳しく、具体的に書く
  • 育て方、働く人の顔と声、社長のメッセージは採用サイトならではの項目
  • 募集要項は法令で明示が必要な項目をそろえ、最終更新日を入れて最新に保つ
  • 応募の入口は軽くし、見学や相談だけの入口も用意する

すべてを一度にそろえる必要はありません。まずは今のホームページに、7項目のうちいくつが載っているかを数えてみて、足りないものから一つずつ足していってください。