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施工管理技士の資格取得を会社で支援する方法|受験資格・費用補助・勉強の進め方

公開:2026年10月16日

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「若手に施工管理技士を取らせたいが、何歳から受けられるのか、会社は何をすればいいのか分からない」。そう迷っている会社は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、今は若手に早く挑戦させやすい制度になっています。2024年度(令和6年度)から受検資格が見直され、第一次検定は年齢だけで受けられるようになりました。第二次検定は「第一次検定に合格した後の実務経験」で受けます。

会社がやることは、大きく4つです。

  • 受検料や教材費を会社で負担する
  • 試験前の勉強時間を確保する
  • 申込の時期と実務経験の証明を、総務で管理する
  • 合格したら手当や評価にどう反映するかを、先に決めておく

この記事では、制度のしくみから順に説明します。

施工管理技士とは

施工管理技士は、建設業法にもとづく国家資格です。国土交通大臣が指定した試験機関が「技術検定」を行い、合格すると施工管理技士になれます(国土交通省「実施計画(スケジュール等)」、2026年10月16日確認)。

種目は7つで、それぞれに1級と2級があります。

種目 試験機関
土木施工管理 (一財)全国建設研修センター
管工事施工管理 (一財)全国建設研修センター
造園施工管理 (一財)全国建設研修センター
電気通信工事施工管理 (一財)全国建設研修センター
建築施工管理 (一財)建設業振興基金
電気工事施工管理 (一財)建設業振興基金
建設機械施工管理 (一社)日本建設機械施工協会

2級の土木は「土木・鋼構造物塗装・薬液注入」、2級の建築は「建築・躯体・仕上げ」の種別に分かれています。

出典:国土交通省「技術検定試験について」(2026年10月16日確認)

2024年度から受検資格が変わった

施工管理技士になるまでの流れを示した図。年齢だけで第一次検定を受け、合格すると技士補になり、合格後の実務経験を積んで第二次検定に合格すると施工管理技士になる

第一次検定は年齢だけで受けられる

受検資格を見直す省令は2023年5月12日に公布され、2024年4月1日から施行されました。第一次検定を受けられる年齢は次のとおりです(国土交通省 報道発表 2023年5月12日、2026年10月16日確認)。

区分 受けられる年齢
1級 第一次検定 19歳以上
2級 第一次検定 17歳以上

年齢は試験日ではなく、受検する年度の末日(3月31日)の時点で数えます(国土交通省「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」等について、2026年10月16日確認)。第一次検定だけなら、実務経験は要りません(全国建設研修センター「よくある質問」、2026年10月16日確認)。

つまり、高校を卒業して入社した1年目から、2級の第一次検定に挑戦できます。

第一次検定に受かると「技士補」になる

2021年度(令和3年度)の制度改正で、試験は第一次検定と第二次検定に分かれました。第一次検定の合格者は「施工管理技士補」(技士補)と呼ばれます。2021年度以降の第一次検定の合格は、生涯有効です(建設業振興基金「令和3年度制度改正について」、国土交通省「施工管理技士になるには」、2026年10月16日確認)。

合格に期限がないので、若手のうちに第一次検定を受けておく意味は大きいと言えます。

第二次検定は「合格後の実務経験」で受ける

第二次検定は、第一次検定に合格した後の実務経験で受けられます。建築と電気工事の例は次のとおりです。

区分 第二次検定を受けるのに必要な実務経験
2級(建築・電気工事) 2級第一次検定の合格後3年以上
1級(建築・電気工事) 1級第一次検定の合格後5年以上
1級(同上・別の道) 合格後、特定実務経験1年以上を含む3年以上
1級(同上・別の道) 合格後、監理技術者補佐として1年以上

特定実務経験とは、請負金額4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の工事で、監理技術者・主任技術者の指導のもと、または自分が監理技術者・主任技術者として行った施工管理の経験です。監理技術者補佐は、1級技士補で主任技術者の要件を満たす人が、監理技術者の職務を専任で補佐した経験を指します。単なる補助は入りません。

ほかにも、1級第一次検定の合格後なら2級第二次検定は1年以上で受けられる、などの区分があります。

出典:建設業振興基金「1級建築施工管理技術検定」・「2級建築」・「1級電気工事」・「2級電気工事」(2026年10月16日確認)

土木・管工事などほかの種目の年数は、全国建設研修センターの各種目の受検の手引で確認してください。

なお、2021年度以降に第一次検定に合格していれば、制度の施行日より前の経験も数えられます(国土交通省「改正省令等について」、2026年10月16日確認)。

旧受検資格は令和10年度まで

改正前の受検資格(学歴と実務経験の組み合わせ)で第二次検定を受けられるのは、令和10年度(2028年度)までです。令和11年度からは、旧受検資格での申請は受け付けられません(一部の再受検者を除く)。出典:建設業振興基金「新受検資格での受検申請について」(2026年10月16日確認)

すでに実務経験が長い社員で、まだ受けていない人がいれば、旧受検資格が使えるうちに受けるかどうかを本人と話しておくとよいでしょう。

会社にとっての意味

現場に置く技術者になれる人が増える

建設業法では、工事を施工するときに主任技術者を置くことが決められています(26条1項)。元請の特定建設業者が、下請契約の総額が一定以上になる工事を行うときは、監理技術者を置きます(26条2項)。出典:e-Gov法令検索「建設業法」26条(2026年10月16日確認)

主任技術者になれるのは、建設業法7条2号イ・ロ・ハに当たる人です(26条1項)。具体的には、指定学科の卒業と実務経験(高校卒5年・大学卒3年)、実務経験10年以上、または国土交通大臣が同等以上と認めた人です(同 7条)。監理技術者の要件には、技術検定などの試験で大臣が定めるものに合格した人が入っています(同 15条)。いずれも2026年10月16日確認。

資格があれば、実務経験の年数だけに頼らずに技術者を置ける道が広がります。どの級・種目の資格で主任技術者・監理技術者になれるかは、国土交通省の「施工管理技士になるには」にある資格の一覧で確認してください。

営業所の技術者の要件がゆるくなった

2023年7月1日から、一般建設業の営業所に置く技術者(今の建設業法では「営業所技術者」。2023年の発表時は「営業所専任技術者」と呼ばれていました)の要件で、次のように扱われるようになりました(国土交通省 報道発表 2023年5月12日、e-Gov法令検索「建設業法」7条、いずれも2026年10月16日確認)。

  • 1級第一次検定の合格者 → 大学の指定学科卒業者と同じ
  • 2級第一次検定の合格者 → 高校の指定学科卒業者と同じ

第一次検定に受かるだけでも、会社にとって意味があるということです。

経営事項審査でも評価される

公共工事の入札に参加するための経営事項審査(経審)では、資格を持つ技術職員が加点の対象になります。点数の付け方は、各都道府県の経審の手引で確認してください。

試験の時期と1年の流れ

参考に、2026年度(令和8年度)の主な日程を載せます。2026年10月16日時点で、2026年度の申込はすべて締め切られています。次の年度の日程は、例年、国土交通省が公表します。

種目 申込 第一次検定 第二次検定
1級土木 3/23〜4/6 7/5 10/4
1級建築 2/13〜2/27(第一次のみは4/7まで) 7/19 10/18
1級電気工事 2/13〜2/27(第一次のみは4/7まで) 7/12 10/18
1級管工事 5/7〜5/21 9/6 12/6
2級土木(前期・第一次のみ) 3/4〜3/18 6/7 ―
2級土木(後期) 7/8〜7/22 10/25 10/25
2級建築・2級電気工事(前期・第一次のみ) 2/6〜2/27 6/14 ―
2級建築・2級電気工事(後期) ネット6/29〜7/27 11/8 11/8
2級管工事(前期・第一次のみ) 3/4〜3/18 6/7 ―
2級管工事(後期) 7/14〜7/28 11/15 11/15

出典:国土交通省「実施計画(スケジュール等)」、建設業振興基金 1級建築・2級建築・1級電気工事・2級電気工事、全国建設研修センター「技術検定のご案内」(2026年10月16日確認)

申込は試験の数か月前です。特に1級建築・1級電気工事は申込が2月と早いので、年末には誰が受けるかを決めておくと慌てずに済みます。

会社ができる支援

受検料・教材費・講座費を負担する

まず効くのは、お金の負担です。受検手数料は次のとおりです(2026年度・非課税)。

種目 第一次検定 第二次検定
1級建築 12,300円 12,300円
2級建築 6,150円 6,150円
1級電気工事 15,800円 15,800円
2級電気工事 7,900円 7,900円
1級土木 12,000円 12,000円
2級土木 6,000円 6,000円
1級管工事 12,700円 12,700円

全国建設研修センターの試験(土木・管工事など)は、インターネットで申し込むと別に事務手数料250円がかかります。

出典:建設業振興基金 1級建築・2級建築・1級電気工事・2級電気工事、全国建設研修センター 1級土木・2級土木・1級管工事(2026年10月16日確認)

受検料と教材・講座の費用を合わせた額を見て、会社がどこまで出すかを決めます。決めておきたいのは、次の3点です。

  • どこまで会社が出すか(受検料だけ/教材・講座まで)
  • 不合格のときも出すか(再受検は何回まで出すか)
  • 立て替えか、会社が直接払うか

ルールは紙1枚にまとめて、全員に同じ条件で伝えます。人によって扱いが違うと、不公平感のもとになります。

勉強時間を確保する

現場の仕事が忙しいと、勉強は後回しになりがちです。試験の1〜2か月前は残業を減らす、試験前の週は早く上がれるようにする、といった配慮があると、本人は勉強を続けやすくなります。

同じ試験を受ける社員が複数いれば、月に1回、過去問を一緒に解く時間を業務の中に作るのも一つの方法です。先輩の合格者に、分からない所を聞ける場にもなります。

支援の現場から 若手が定着するようになった会社では、外部の教育・研修を取り入れたことで、社員の知識とチームワークが高まったという変化がありました。

申込の時期と実務経験の証明を管理する

申込は受検者本人が行います(全国建設研修センター 1級土木、2026年10月16日確認)。ただ、本人任せにすると、締め切りを過ぎてしまうことがあります。総務で受検予定者の一覧を作り、申込の時期が来たら声をかけるだけでも違います。

第二次検定では、会社が実務経験を証明します。建築・電気工事は、2026年度から新受検資格の申請がインターネットだけになりました。「実務経験ファイル作成ツール」に証明者・工事の内容・期間を入力し、証明者のチェックを受けてから申請します(建設業振興基金「新受検資格での受検申請について」、2026年10月16日確認)。

証明は事実どおりに書くのが大前提です。ふだんから、誰がどの工事に、どの立場で、いつからいつまで関わったかを記録しておくと、証明のときに困りません。

合格後の扱いを先に決めておく

「受かったら何が変わるのか」が見えると、本人のやる気は続きます。

  • 資格手当や合格祝い金を出すか
  • 人事評価や昇格の条件に入れるか
  • 主任技術者として任せる現場を増やすか

金額は会社の規模や考え方で決めてかまいません。大事なのは、受ける前に決めて伝えておくことです。評価の仕組みづくりは「小さな建設会社の人事評価制度の作り方」も参考にしてください。

助成金が使えるか確認する

厚生労働省の人材開発支援助成金には、「人材育成支援コース」や「建設労働者技能実習コース」などがあります。人材育成支援コースは、雇っている従業員に訓練を受けさせたときの訓練経費や、訓練中の賃金の一部を助成する制度です(厚生労働省「人材開発支援助成金」、2026年10月16日確認)。

資格の講座が対象になるかどうかは、講座の形や要件によって変わります。使いたい場合は、訓練の計画を出す前に、都道府県の労働局へ相談してください。

勉強の進め方

第一次検定は過去問を中心に

第一次検定は、過去問をくり返し解くのが基本です。テキストを最初から全部読むより、過去問を解いて、間違えた所をテキストで確かめるほうが進みやすくなります。

第二次検定の「経験記述」は本人が書く

第二次検定には、自分の現場経験をもとに答える設問があります。国土交通省は、2024年度以降、この設問について「自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から」見直すと発表しています(国土交通省 報道発表 2023年11月9日、2026年10月16日確認)。

答案は、受検者本人が自分の経験をもとに書くものです。会社ができるのは、本人が書いた答案を読んで助言すること、外部の添削を受けられるようにすることまでです。人に書いてもらった文章を覚えて書く、といったやり方は勧めません。

準備は次の順で進めます。

  1. 自分が関わった工事を書き出す(工事名・期間・立場・工事の内容)
  2. その中で、自分が工夫したこと・気をつけたことを思い出す
  3. 本人が答案を書く
  4. 上司や先輩、外部の添削で直す所を教えてもらい、本人が書き直す

上司が現場の記録を一緒に見返すだけでも、本人は書く材料を思い出しやすくなります。

講座・教材の選び方

独学が合う人もいれば、教材や質問先がないと続かない人もいます。講座や教材を選ぶときは、次の点を見ます。

  • 受ける種目・級に対応しているか
  • 過去問や模擬問題がそろっているか
  • 分からない所を質問できるか
  • 第二次検定の答案を添削してもらえるか
  • 会社が負担しやすい料金か

通信講座の一つの例として、独学サポート事務局の受験対策講座があります。以下は2026年10月16日に公式サイトで確認した内容です。

  • 対象:1級・2級の土木、建築、電気工事、管工事、造園、建設機械、電気通信工事の各施工管理技士と、1級・2級舗装施工管理技術者の16資格
  • 内容:過去問題と解答(最近10年分)、模擬問題、受験対策の学習ファイル、メール・FAXでの質問回答、試験の新しい情報の配信
  • 第二次検定の対策:経験記述の添削(1級管工事の講座ページでは5回)
  • 受講期間:申込完了日から試験の前々日まで
  • 料金:教材なしの基本サポートで約1万円から(税込。書類だけのプランは初回送料300円が別)。教材付きのセットもあります。講座ごとに違うので、公式サイトで確認してください
  • 注意:教材を受け取った後のキャンセルは原則できません

出典:独学サポート事務局 公式サイト、1級管工事講座、よくある質問(2026年10月16日確認)

添削は、本人が書いた答案をよくするために使います。会社が費用を出すのは「教材・質問対応・添削」まで、と社内で決めておくと安心です。

講座の詳しい内容と料金は、独学サポート事務局の受験対策講座のページで確認できます。

まとめ

  • 2024年度から、第一次検定は年齢だけで受けられる(1級19歳以上・2級17歳以上、年度末時点)
  • 第一次検定の合格者は技士補になり、合格は生涯有効。合格後の実務経験で第二次検定を受ける
  • 資格者が増えると、現場に置く技術者や営業所の技術者の要件を満たしやすくなる
  • 会社の支援は「費用の負担」「勉強時間」「申込と証明の管理」「合格後の扱い」の4つ
  • 経験記述は本人が自分の経験をもとに書く。会社は助言と添削の機会を用意する

資格の取得を会社が支えることは、若手に「この会社は自分を育ててくれる」と伝えることでもあります。若手の定着全体の進め方は「若手職人が辞める5つの理由と、辞めない建設会社がやっていること」、高校生の採用から育てる流れは「高校生採用の進め方」もあわせてご覧ください。