労務・制度

労働条件通知書・雇用契約書の書き方|日給制・現場直行がある建設会社の記入例(2024年4月の追加項目つき)

公開:2026年10月26日

この記事の結論

  • 労働条件通知書は、契約を結ぶときに書面で渡す。渡さないと30万円以下の罰金の対象になる
  • 日給制は、日給の額に加えて、計算方法・締切日・支払日まで書く
  • 現場が毎日変わる会社は、就業場所と仕事の内容に「変更の範囲」を書く(2024年4月から)
  • 厚生労働省の「建設労働者用」様式は、2026年10月1日から新しい様式を使う

公式情報の確認日:2026年10月26日

目次(12項目)
  1. 労働条件通知書と雇用契約書は何が違うのか
  2. 渡さないとどうなるか
  3. 書面で必ず渡す項目
  4. 2026年10月1日から新しい様式に変わっている
  5. 日給制・日給月給制の書き方
  6. 現場直行・就業場所が毎日変わる場合の書き方
  7. 2024年4月から増えた項目
  8. 試用期間・有期契約・パートの書き方
  9. 通知書の渡し方と保管
  10. まとめ
  11. よくある質問
  12. 出典(すべて2026年10月26日確認)

「通知書と雇用契約書は何が違うのか」「日給の人や、現場に直行する人はどう書けばいいのか」「口約束で雇ってきたが、大丈夫なのか」。社員が数人から数十人の建設会社では、労働条件の書面づくりが後回しになりがちです。

結論から言うと、押さえることは3つです。1つ目は、労働条件通知書(雇うときに労働条件を書いて渡す書類)は、労働契約を結ぶときに書面で渡す義務があること。2つ目は、日給制の人には日給の額だけでなく、計算方法・締切日・支払日まで書くこと。3つ目は、就業場所が現場ごとに変わる会社は、就業場所と仕事の内容に「変更の範囲」を書くことです。

この記事では、厚生労働省の「建設労働者用」様式に沿って、書く項目と記入例を順に説明します。記事中の法令・様式・数字は、特に書いていない限り2026年10月26日に公式情報で確認したものです。個別の事情は、社会保険労務士(社労士)か都道府県労働局に相談してください。

この記事で分かること

  • 労働条件通知書と雇用契約書の違い、渡さなかったときの扱い
  • 書面で必ず渡す項目と、建設会社での書き方
  • 日給制・現場直行の場合の記入例(金額は説明用の仮の数字)
  • 2024年4月に増えた項目と、2026年10月からの新様式
  • 渡し方、保管、よくあるミス

労働条件通知書と雇用契約書は何が違うのか

労働基準法15条は、使用者(会社)が労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を労働者に「明示」しなければならないと定めています。そのうち、賃金や労働時間などの大事な項目は、書面で渡す決まりです(e-Gov 法令検索 労働基準法 第15条、同法施行規則 第5条、2026年10月26日確認)。この書面が、一般に「労働条件通知書」と呼ばれます。

「雇用契約書」は、労働契約の内容を書いて、会社と本人が署名・押印する書類を指すのが一般的です。ただし、15条にも施行規則5条にも「雇用契約書」という言葉は出てきません。

項目 労働条件通知書 雇用契約書
法令上の位置づけ 労基法15条で、書面の交付などによる明示が義務 名前も様式も、法令では決まっていない
署名・押印 条文は書面の交付を求めるだけで、署名は求めていない 双方が署名・押印する形が一般的(運用の話で、法令の決まりではない)
書く内容 施行規則5条の明示事項 会社が決める。通知書の内容を含めておくと一体にできる

兼用できるかどうかについて、厚生労働省が「兼用してよい」と明記した資料は、今回の調査では確認できませんでした。確実なのは、厚労省の様式(通知書)を使い、本人が受け取った旨の署名をもらう方法です。署名は法令の要件ではありませんが、渡した証拠になります。

建設会社の場合は、建設労働者の雇用の改善等に関する法律7条も関わります。事業主が建設労働者を雇い入れたときは、速やかに、事業主の氏名または名称、事業所の名称と所在地、雇用期間、従事すべき業務の内容を書いた文書を交付する決まりです(e-Gov 法令検索 同法 第7条、2026年10月26日確認)。厚労省の建設労働者用の様式は、この文書の交付も兼ねる作りになっています。

渡さないとどうなるか

労基法15条1項に違反した使用者は、30万円以下の罰金の対象です(労基法120条1号。e-Gov 法令検索 第120条、2026年10月26日確認)。

実際に問題になりやすいのは、罰則よりも、あとからのトラブルです。15条2項は、明示された労働条件が事実と違うとき、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています。3項は、就業のために住居を変えた人が契約解除から14日以内に帰郷するなら、会社が必要な旅費を負担するとしています。口約束で雇って「聞いていた話と違う」となったとき、書面がないと会社が不利になります。

書面で必ず渡す項目

渡す時期は、条文では「労働契約の締結に際し」です。入社日ではなく、契約を結ぶときまでに渡します。

まず全体の見取り図です。

労働条件通知書で書面で渡す項目を、いつまで・どこで・何を、時間と休み、お金と辞めるとき、の3つに分けて縦に並べた図

施行規則5条にもとづく、書面で渡す項目と、建設会社での書き方は次のとおりです。

項目 建設会社での書き方
契約期間 期間の定めがない(正社員など)か、あるか。ある場合は開始日と終了日
契約を更新する場合の基準と更新上限(期間の定めがあり、更新する場合があるとき) 更新の判断基準(工事の量、勤務成績など)と、更新回数や通算期間の上限があればその内容
就業場所と仕事の内容(変更の範囲を含む) 雇入れ直後の場所・仕事と、将来変わりうる範囲。現場が変わる会社は次の章
始業・終業の時刻、所定時間外労働の有無、休憩、休日、休暇 現場ごとに違う場合の書き方は後の章
賃金の決定・計算・支払の方法、締切日と支払日 日給・月給などの額、手当、割増賃金率、締切日、支払日、支払方法
退職に関する事項(解雇の事由を含む) 定年、自己都合退職の手続、解雇の事由と手続

昇給に関する事項は、条文上、書面で渡す項目から除かれています(施行規則5条3項)。

次の項目は、制度として定めている場合に、口頭でもよいので明示する対象です(施行規則5条1項)。定めがなければ不要です。

  • 退職手当(退職金)に関すること
  • 臨時に支払われる賃金、賞与、最低賃金額に関すること
  • 労働者に負担させる食費、作業用品など
  • 安全・衛生、職業訓練、災害補償、表彰・制裁、休職

ただし厚労省の様式は、これらも書ける欄を用意しています。トラブルを避けるため、書面に入れておくと安心です。

有期契約の人や短時間労働者(パートなど)には、これに加えて、昇給・賞与・退職手当の有無と、雇用管理の相談窓口を書面で明示するよう、パート・有期雇用労働法が求めています。厚労省の様式の記載要領による説明です。

無料の様式を使う

厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー」に、労働条件通知書の様式があります。「建設労働者用」は、常用・有期雇用型と日雇型の2種類です(厚生労働省 主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係)、2026年10月26日確認)。

建設労働者用には、一般の様式にない欄があります。確認できた範囲では、建設業許可番号、雇用管理責任者、建設退職共済制度、寝具貸与、食費の欄です(建設労働者用・常用型(PDF)、日雇型(PDF)、2026年10月26日確認)。自社でWordなどに作り直すより、厚労省の様式をそのまま使う方が、項目の漏れを防げます。

2026年10月1日から新しい様式に変わっている

厚労省の同じページに、次の案内があります(2026年10月26日確認)。

  • 常用・有期雇用型は、令和8年(2026年)9月30日までは旧様式を使える。10月1日以降は新様式を使う
  • 日雇型は、10月1日以降も従前の様式を引き続き使える

今は新様式を使う時期です。建設労働者用の常用・有期雇用型で、旧様式と新様式の文面を比べて確認できた違いは次の2点です。

  • 「その他」欄に、通常の労働者との待遇の相違について説明を求められる窓口(部署名・担当者・連絡先)の欄が加わった
  • 始業・終業時刻の選択肢から、事業場外みなし労働時間制と裁量労働制がなくなった

違いはこれだけとは限りません。何の改正にもとづくかは、この記事では確認していません。使うときは、必ず最新の様式の全体を見てください。古い様式をダウンロードして保存している会社は、差し替えておきましょう。

日給制・日給月給制の書き方

日給制の人の通知書は、賃金の欄を「日給 ○円」と書くだけでは足りません。条文が求めているのは、賃金の決定、計算、支払の方法と、締切日・支払日です(施行規則5条1項3号)。

なお「日給月給制」は、法律で決まった呼び方ではありません。日給で額を決めて、月に1回まとめて払う形を指して使われることが多い言葉です。通知書には、呼び名ではなく、実際の決め方と払い方を書きます。賃金は、毎月1回以上、決まった日に払う決まりです(労基法24条2項。e-Gov 法令検索 第24条、2026年10月26日確認)。日給でも、毎日払う必要はなく、月払いが基本です。

次は、厚労省の建設労働者用様式の賃金欄に沿った記入例です。金額や日付は、この記事の説明用の仮の例です。

項目 記入例 注意
基本賃金 日給 15,000円(所定労働時間8時間) 1日の所定労働時間も、始業・終業の欄と合わせて書く
諸手当 資格手当 月5,000円(対象の資格を決める) 手当ごとに、額か計算方法を書く
割増賃金率 法定時間外 25%、月60時間超 50%、法定休日 35%、深夜 25% 様式の記載要領にある最低の率。会社がこれより高く決めるなら、その率を書く
賃金の計算方法 出勤した日数に日給を掛ける。休んだ日の日給は支払わない(会社の決めどおりに書く) 欠勤・遅刻・雨天中止の扱いも決めておく
締切日・支払日 毎月末日締め、翌月25日払い 毎月1回以上、決まった日に払う
支払方法 本人の銀行口座への振込
控除 労使協定にもとづく控除の有無 社会保険料などの法定の控除とは別の欄

割増賃金の基礎になる1時間あたりの賃金は、日給を1日の所定労働時間で割って出します(労基法施行規則19条1項2号。e-Gov 法令検索 施行規則 第19条、2026年10月26日確認)。上の例なら、次のとおりです。

  • 時間単価:15,000円 ÷ 8時間 = 1,875円
  • 法定時間外の1時間あたり:1,875円 × 1.25 = 約2,344円(端数の処理は賃金規程で決める)

家族手当や通勤手当などは、この基礎に入れない決まりです(労基法37条5項)。給与計算の全体は建設会社の給与計算の基本で説明しています。

雨で休みになった日は

雨や現場の都合で休みになった日の扱いは、通知書の様式に専用の欄がありません。「その他」欄に書くか、賃金規程の条文名を示します。

使用者の責任による休業では、平均賃金の60%以上の休業手当を払う決まりです(労基法26条。e-Gov 法令検索 第26条、2026年10月26日確認)。雨で休みになった場合が「使用者の責任による休業」に当たるかは、事情によって変わります。この記事では判断の基準を示しません。決めるときは、労働局か社労士に確認してください。

現場直行・就業場所が毎日変わる場合の書き方

就業場所と仕事の内容は「変更の範囲」まで

2024年4月から、就業場所と仕事の内容は、雇入れ直後のものに加えて、将来変わりうる範囲(変更の範囲)も書くことになりました。厚労省のリーフレットでは、変更の範囲を「将来の配置転換などによって変わり得る就業場所・業務の範囲」としています(厚生労働省リーフレット(2024年9月)、2026年10月26日確認)。

現場が毎日変わる建設会社の書き方の例です。これはこの記事の記入例で、会社の実態に合わせて直してください。

欄 記入例
就業場所(雇入れ直後) 会社の事務所。工事ごとに会社が指示する現場に直行する場合がある
就業場所(変更の範囲) 会社が請け負う工事の現場、事務所、資材置場(会社が指示する場所)
仕事の内容(雇入れ直後) 型枠大工として、型枠の加工・組立・解体
仕事の内容(変更の範囲) 会社が行う建設工事に関する作業全般

「現場」とだけ書くと、どこまで異動を命じられるのかが分かりません。あとで「聞いていない」となりやすいので、範囲を決めて書いておきます。

日雇型の様式は事情が違います。厚労省のQ&Aでは、日雇いの労働者には変更の範囲を明示する必要はなく、その日の就業場所と仕事の内容を明示すれば足りるとしています(厚労省 令和5年改正労基則等に係る労働条件明示等に関するQ&A(PDF)、2026年10月26日確認)。日雇型の様式の記載要領は、就業場所と仕事の内容を「具体的かつ詳細に」書くよう求めています。

始業時刻が現場ごとに違うとき

始業・終業の時刻は、その人に適用される具体的な条件を書きます。現場ごとに違って書ききれない場合は、様式の記載要領に次の扱いが示されています。始業・終業の時刻、休日などについて、明示する内容が膨大になるときは、勤務の種類ごとの始業・終業の時刻や休日の考え方を示したうえで、適用される就業規則の条文名を示せば足ります。ただし、所定時間外労働の有無は、書面に書く必要があります。

これを使うには、就業規則に勤務の種類と時刻が書かれていることが前提です。変形労働時間制を使う会社は、その種類(1か月単位、1年単位など)を通知書に書きます。

直行直帰の移動時間

直行直帰の移動時間が労働時間になるかは、通知書の書き方では決まりません。会社が指示して乗り合うのか、本人の判断で直行するのかなど、実態で変わります。厚労省の例は建設業の時間外労働の上限規制と勤怠管理にまとめています。ルールを決めたら、就業規則に書き、通知書の「就業規則による」欄とあわせて本人に伝えてください。

2024年4月から増えた項目

2024年4月1日から、労働条件の明示事項が増えました。厚労省のリーフレットでは、次の4つです。

追加された項目 対象と時期 建設会社での記入例(仮)
就業場所・業務の変更の範囲 全ての労働契約の締結時と、有期契約の更新時 前の章の例
更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容 有期契約の締結時と更新時 更新は通算3年まで、または更新は2回まで
無期転換申込機会 無期転換申込権が発生する契約の更新時 「本契約期間中に、無期労働契約への転換を申し込める」と書く
無期転換後の労働条件 無期転換申込権が発生する契約の更新時 賃金、休日などの労働条件。変更がなければ変更なしと書く

無期転換とは、同じ会社との有期労働契約が通算5年を超えたとき、本人の申込みで、期間の定めのない契約に変わる制度です(労働契約法18条。e-Gov 法令検索 労働契約法 第18条、2026年10月26日確認)。

更新上限について、厚労省のQ&Aは、上限の定めがない場合に「上限なし」と明示することまでは求めていないとしています。上限の定めがあるのに書面で明示していない場合は、労基法15条違反となります。また、上限があることを書かなかったからといって、直ちに上限のない契約になるわけではなく、最終的には裁判所の判断になる、としています(同Q&A、2026年10月26日確認)。

厚労省は、最初の契約より後に更新上限を新しく設ける、または短くするときは、その理由をあらかじめ労働者に説明するよう求めています(リーフレット、2026年10月26日確認)。

試用期間・有期契約・パートの書き方

試用期間

試用期間は、施行規則5条の明示事項に独立した項目としては出てきません。「その他」欄などに期間と条件を書き、詳細は就業規則の条文名で示す方法があります。試用期間の長さの法令上の上限は、今回の調査で公式の資料を確認できませんでした。書かないでおきます。長さや、延長・本採用の判断の扱いは、就業規則で決めたうえで、社労士か労働局に確認してください。

試用期間中の賃金も、最低賃金以上でなければなりません(最低賃金法4条1項。e-Gov 法令検索 最低賃金法 第4条、2026年10月26日確認)。試用期間中の人の最低賃金を減額する特例は、都道府県労働局長の許可を受けた場合に限られます(同法7条2号。e-Gov 法令検索 第7条、2026年10月26日確認)。

有期契約

期間の定めのある契約は、原則として3年を超えて結べません。専門的な知識を持つ人や60歳以上の人などは5年までです(労基法14条。e-Gov 法令検索 第14条、2026年10月26日確認)。工期に合わせて期間を決める場合も、この上限の中で決めます。「更新する場合があるか」「更新の判断基準」を書き、更新上限と無期転換の項目は前の章のとおりです。

パート

厚労省には、短時間労働者用の様式もあります(主要様式ダウンロードコーナーに掲載。建設の現場で働くパートの人に、建設労働者用と短時間労働者用のどちらを使うかは、労働局か社労士に確認してください)。

通知書の渡し方と保管

渡し方は、書面の交付が原則です。ただし、労働者が希望した場合に限り、ファクシミリか、電子メールなどで送る方法でもよいことになっています。電子メールなどは、本人がその記録を出力して書面を作成できるものに限られます(施行規則5条4項。2026年10月26日確認)。

会社の都合でメールにするのではなく、本人が希望したことを確認します。本人の希望は、メールの文面などで残しておくと安心です。

厚労省の様式には、「労使間の紛争の未然防止のため、保存しておくことをお勧めします」と書かれています。2通作って、1通を本人に渡し、1通に本人の受領の署名をもらって会社で保管する方法が確実です。

就業規則を確認できる場所や方法も、様式の欄に書きます。法令では就業規則は労働者に周知する決まりがあり、厚労省は、通知書にその場所などを書いて必要なときに確認できる状態にするよう示しています(Q&A、2026年10月26日確認)。

書く手間を減らしたいとき

この記事の内容をもとに、通知書と雇用契約書をひとつの入力から作れる Excel のひな形を用意しました。日給制・現場直行・有期契約の書き方に対応し、2024年4月の追加項目(変更の範囲・更新上限・無期転換)の欄、日給から時間単価を出すシート、誰にいつ渡したかを管理する表が入っています。厚生労働省の様式そのものではなく、明示事項に沿った独自のひな形です。最新の様式は厚労省のサイトで確認してください。

※ 運営会社の商品です。

よくあるミス

ミス 直し方
日給の額だけ書いて、締切日・支払日・計算方法がない 賃金の欄の項目を全部埋める
就業場所を「現場」とだけ書いた 雇入れ直後の場所と、変更の範囲を分けて書く
有期で更新上限を決めているのに書いていない 上限を書面で明示する
口頭で説明しただけで、書面を渡していない 契約を結ぶときまでに書面を渡す
古い様式のままで、新しい欄がない 厚労省の最新の様式に差し替える
渡したか分からず、控えもない 受領の署名をもらい、控えを保管する

月給制に切り替えたときの通知書の直し方は、日給月給制から月給制に変える手順で説明しています。

まとめ

  • 労働条件通知書は、契約を結ぶときに書面で渡す。労基法15条1項に違反すると、30万円以下の罰金の対象
  • 厚労省の「建設労働者用」様式を使う。常用・有期雇用型は2026年10月1日から新様式
  • 日給制は、日給の額に加えて、計算方法・締切日・支払日・割増賃金率まで書く
  • 就業場所と仕事の内容は、雇入れ直後に加えて変更の範囲を書く(2024年4月から)
  • 有期の人には、更新上限の内容も書く。無期転換の対象になるときは、無期転換の申込機会と条件も書く

次の一歩は、4つの手順です。

  1. 厚労省の建設労働者用の最新の様式を、社員用(常用型)と日雇い用の2種類ダウンロードする
  2. 日給・割増賃金率・締切日・支払日と、就業場所の変更の範囲を決める
  3. 有期の人がいれば、更新上限と、無期転換に関する項目を入れる
  4. 契約を結ぶときまでに書面で渡し、受領の署名をもらって保管する

よくある質問

一人親方にも通知書は要りますか?

一人親方は、請負契約で働く個人事業主であることが多く、その場合は雇用ではありません。ただし、契約書の名前ではなく働き方の実態で判断され、判断が分かれることがあります。この記事では判断の基準を示せません。「労働者に当たるか」は、労働基準監督署か社労士に確認が必要です。

すでに働いている人にも、2024年4月の追加項目を渡す必要がありますか?

厚労省のQ&Aでは、すでに雇用している労働者に、改めて新しい明示ルールにもとづく明示をする必要はないとしています。新ルールは2024年4月1日以降に結ぶ労働契約に適用されるためです。ただし、有期契約の人は、契約の更新が新たな契約の締結になるので、更新のたびに新ルールにそった明示が必要です。理解を深めるために、再度の明示は「望ましい取組」とされています(Q&A、2026年10月26日確認)。

雇用契約書だけで、通知書の代わりになりますか?

条文が求めているのは、明示事項が明らかになる書面の交付で、書類の名前は問われていません。契約書に必要な項目がすべて書かれていて、本人に渡していれば、通知書の役割を果たすと考えられます。ただし、項目の漏れが起きやすいので、厚労省の様式を使う方が確実です。個別の契約書の確認は、社労士か労働局に相談してください。

試用期間中の日給を低くしてもよいですか?

最低賃金を下回ることはできません。最低賃金を下げる特例は、労働局長の許可が必要です(最低賃金法7条)。青森県の令和8年度の最低賃金は、厚労省の全国一覧で1,090円(答申された改定額)、発効日は令和8年10月29日です(厚生労働省 令和8年度地域別最低賃金全国一覧(PDF)、2026年10月26日確認)。日給の人は、日給を時間額に直して比べる必要があります。換算の方法は、厚労省・労働局の資料で確認してください。

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出典(すべて2026年10月26日確認)